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あ、日本シリーズ見るの忘れてた。見るのも忘れて何をしていたかといいますと、安本美典『「邪馬台国=畿内説」「箸墓=卑弥呼の墓説」の虚妄を衝く!』(宝島社新書09)を読んでいたのでした。とりあえず半分(第1章)読んだ。
出版を急いだためだろう、メモの切り貼りで重複は多いし、文章も推敲されていません。その意味で非常に出来の悪い本です。しかし内容は傾聴するに値します。
要は歴博の発表が、何らかの意図が入った科学的手続きに不備があるものだと、執拗に糾弾しているわけです。
統計的操作が、一見科学の顔をしていますが、実際は恣意的な使われ方をするのは(悪用されるのは)、会社員である皆さんはきっと身に覚えがあるはずです(笑)。歴博の発表はそういう類のものであるようです。具体的には、C14測定の資料となる木材(炭化物)が、種類により<古木効果>の影響を受ける度合が違う点を(故意にか)無視して同列に扱うことで、箸墓2世紀半ば造営という虚構の結果が導出されたとします(240年〜260年への絞り込みはまた別の「操作」があるとする)。
昔SFMに「人気カウンター」というコーナーがありましたが、NWが勃興し作品内容(質)が複雑化すると、読者(に専ら任されている)の採点基準も当然多様化してきます。そうしますとありうる状況として、任意の作品Aは問題作で、5点と1点が同数集まり、集計すると平均3となったとします。一方で、決してつまらなくはないけれども大して面白くもない作品Bが、万遍なく3点を集めたとします。この作品の評点も3点となり、作品Aと作品B の評点は同じとなります。ではこの2作品は同程度の作品なんでしょうか?
もちろん違うのです。ことほどさように質への評価を欠いた量的把握は「意味」を析出しません。
昔山野浩一が週刊読書人のSF時評で73年の総括として「日本沈没」をワースト1とするワースト3だったかワースト5を発表し、但し自分とは別の見方をする人はこのリストがベスト3となるだろうとしたのは、まさに上記のような(素朴な)集計の無意味さを衝いたのだと私は憶測しているのですが(それかあらぬか「人気カウンター」は翌74年に廃止となります)、歴博の<古木効果>への配慮のなさは人気カウンターの配慮のなさと同じなのではないでしょうか。本書を読んでふとそんなことを思い出したのでした。
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