| 全99件の内、新着の記事から50件ずつ表示します。 | 1 2 | 《前のページ | 次のページ》 |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
| 以上は、新着順1番目から50番目までの記事です。 | 1
2
| 《前のページ | 次のページ》 |
地球の事業仕分け
投稿者:管理人 投稿日:2009年11月23日(月)20時52分27秒世界が使い古しのがらくたを積み込みすぎたので、住民は大がかりな焚火をたき、がらくたを一掃することに決める。世界からいろんながらくたが運び込まれる。
まずは家系図や勲章のたぐい。つまり特権の象徴。すると抵抗する者がいる。「諸君はなんということをしでかしたのだ。諸君が野蛮な生活から進歩してきた印なんだぞ。われわれは騎士道精神という高貴にして寛大な思想を受け継いできた。文化や芸術もわれわれの庇護の下にあったからこそ栄えたのだ。それを灰燼にしてしまうのか」。
しかし群集の「引っ込んでろ」の声に慌てて姿を消す。
つづいて世界中の酒樽という酒樽が……。アルコールだから炎は更に高く燃え上がる。つづいて煙草……。つづいて「流行」遅れになった「まだ使える」品々。つづいてあらゆる軍備。老司令官が嘆く。「個人のいざこざはいざ知らず、国どうしのいざこざを治める大法廷こそ戦場なのに」。「あなたは忘れておられる」と主人公は反論する。「ここまで文明が進んでくれば<理性>と<博愛>がその決済機関になるのです」
次に集められたのは、世界中の死刑執行の道具。次に金。次にあらゆる成文法。政令。条例。私的契約書。
続いて大量の本、パンフレットの山。辞書、百科事典、シェイクスピア。面白いことによく燃える本もあれば燻ぶるだけのもある。「焚火の中で最も華麗な姿を見せていたものが必ずしも世間に喧伝された作家ではなかったということだけは申し添えておこう」
「ああ残念だ。世も末だ。私の生きがいが奪われてしまった。たった1冊の本も持てなくなってしまった」。私の隣の男が言う。
「この男は本の虫です。死んだ思想を食うために生まれついた連中の一人です」と別の男。
「ああ、私の本よ。私の大切な活字本よ」絶望した本の虫は繰り返す。「私の唯一の現実は製本された本だったのに」
地球はカドモス以来、はじめて忌わしい文字から解放された。あるいは次代の作家にうらやましいほどの活動の場を残した。
哲学者が自分の理論を投げ込む。その価値を知る人々はこれまでで最も注目すべき犠牲だと公言するも、火のほうは一向に燃え上がらなかった……。
次に集められたのは、「宗教」に関するあらゆるもの。十字架、洗礼盤、ニューイングランド教会の説教壇の切れ端。そしてついに「聖書」が、火中に投じられるが……。
うーむ。これがメイフラワー三代目の限界か(^^;